タイ株でのポートフォリオの組み方
投資方法の種類

一般的なポートフォリオの組み方としては、購入する銘柄の業種を分散して購入する分散投資が良いという意見と、特定の銘柄に絞って購入する集中投資と2種類があります。
分散投資のメリット・デメリット
- メリット
- リスク分散ができる。
- デメリット
- 銘柄によっては上がる株もあれば下がる株もあり、資産の増加スピードが遅くなる。
分散投資とは、限りある資産を様々な銘柄に分けて行う投資スタイルです。大きなメリットとしてリスク分散が可能だということです。一部の銘柄が大きく値を下げたとしても、他の銘柄でカバーできる可能性があるため、トータルで損を出しにくい特徴があります。
相場全体のトレンドに左右されやすい
分散投資は、相場全体のトレンドに依存するため、上げトレンドなら銘柄全体が平均的に上がる反面、コロナショックの様な急激な下げ相場では、全体的に下がります。
集中投資のメリット・デメリット
- メリット
- 一極集中で資産を増やしやすい。
- デメリット
- リスクヘッジができないため、下がると一気に資産を減らす。
集中投資は、資産を一極集中させるので、上がればその分大きな利益が出やすいメリットがあります。その分、銘柄の値が下がると、損益額も大きくなります。
100万円分を1株100円の1銘柄につぎ込んだ場合、わずか+1%のUPで1万円増えます。分散投資だと全銘柄で+1%になるには、値が下がった株があるなら、他の株でその分値上げしていないといけません。
ギャンブル性が高く精神的なストレス耐性がある方ならおすすめ
集中投資では、マーケット全体の傾向よりも個別銘柄の底力が必要なので、株価の上下に一喜一憂できます。その反面、下げが続くと不安やストレスが溜まっていくので、財政面でも精神的に余裕があるならおすすめです。
株価の情報が気になってしょうがなくなるので、専業トレーダーならともかく、もし仕事をしている身としては勤務時間中にこまめに株価をチェックしたくなるので、本業に差し支えない程度で対応できるならありかもしれません。
相反する意見が乱立
初めて投資を行う方が、どの著者による本・記事を読んだかで投資方法が大きく変わるかと思います。事実、ネット上には「分散投資が良い」という記事もあれば、「集中投資が良い」という意見両方が出てきます。
【1+1=2】の数式の様な、絶対的かつ普遍的な100%の正解が無いのが投資の世界です。結果論ありきで、勝てば官軍、最終的に勝った方が正解なので、相反する意見が乱立しているのだと思います。
様々なタイ特有のリスクに備えるが吉
不安定な政情不安
タイ特有の問題として、数年ごとに起こるクーデターや、今現在も起こっている軍政への反政府運動などの、政治不安です。
また東南アジア全体でもそうですが、清廉潔白・公平な裁判や司法制度がまだまだ難しく、政治・警察界隈では賄賂が頻繁に行われていると、度々報道されています。
世界の腐敗認識数ランキングではタイは104位
世界各地の公務員と政治家の汚職度合いを示す指標的なものです。
wikipediaによれば、
腐敗認識指数(ふはいにんしきしすう、英語: Corruption Perceptions Index, CPI)とは、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が1995年以来毎年公開しているもので、世界各地の公務員と政治家が、どの程度汚職していると認識できるか、その度合を国際比較し、国家別に順位付けしたものである。
腐敗認識指数
と説明されています。
タイは2020年度のランキングでは、104位と汚職たっぷりという評価です。外国人の立場からみれば、まあ汚職で逮捕された政治家がわずか数年で出所して政権運営に復帰するような国ですし、金持ちに甘い国なので致し方なしという印象です。
警察にお金を渡していれば、ある程度はお目溢しが可能というのが未だに信じられません。事実、知り合いが働いている工場で、グレーな移民労働者も働いているのですが、お目溢しをもらっているそうです。
法令遵守で真面目にやっていると、組織が回らなくなるというのは理解はしていますが、個人的にはどうなんだろうと思っています。
日本は世界19位
因みに日本は、19位でした。元検事長の賭け麻雀や交通事故時の被害者を救護をしなかった上級国民は逮捕されず、同年代の一般高齢者は事故被害者を救護活動していたにもかかわらず逮捕されたなど、人によって対応が大きく異るダブルスタンダード化しているにもかかわらずです。特定の国にべったりな幹事長がいる政党が与党なのにもかかわらずです。
データ引用:Transparency Intarnatinal CORRUPTION PERCEPTIONS INDEX
為替リスクと観光立国
タイの主な産業は自動車や食品を海外へと輸出しています。そのため、日本もそうですが、バーツ高となると利益率が下がるため、バーツ対ドルのレート問題が度々報道されています。特に食品製造業関連の株は、バーツ高になると利益が大きく低下するため、株価にも影響してきます。
また世界有数の観光立国であるタイは、コロナショックにより外国人観光客がほぼ0となった影響で、多くの労働者が解雇されています。ホテル・飲食・小売業・サービス業など様々な業種へと波及しているのが現状です。
また2011年に起きた、モンスーンによる洪水被害でも大きく株価が下がっています。日本の地震みたいな天災によるリスクも考慮しないといけません。
私が分散投資をおすすめする理由
相反する意見が乱立
初めて投資を行う方が、どの著者による本・記事を読んだかで投資方法が大きく変わるかと思います。事実、ネット上には「分散投資が良い」という記事もあれば、「集中投資が良い」という意見両方が出てきます。
【1+1=2】の数式の様な、絶対的かつ普遍的な100%の正解が無いのが投資の世界です。結果論ありきで、勝てば官軍、最終的に勝った方が正解なので、相反する意見が乱立しているのだと思います。
少額投資とはいえ、小心者の私には到底無理な投資スタイルです。
そこで私がおすすめするのは、分散投資です。リスクヘッジを重視しています。
新興国だからこその分散投資
タイは世界有数の経済国と比べても発展途上にあるため、まだまだ株価全体が伸びる可能性が大いにあります。
伸びしろという余白を考慮するなら、一撃で伸ばす集中投資もいいのですが、上記のような様々なリスクを考慮するなら、全体的に値が上がる期待を込めての分散投資一択です。
仮にどこかの銘柄が下がったとしても、他の銘柄で十分カバーできます。また、私がタイでは長期的な視点での投資をしているので、自分もそうだからという結論ではありますが、分散投資をオススメしています。
おすすめの銘柄

参入障壁が高いBTS、BEM
おすすめする銘柄は、先ずは参入障壁が極めて高い業種の銘柄です。筆頭としては、BTSとBEMです。バンコクの公共交通機関であり、世界有数のひどい渋滞問題を抱えるバンコクにとって、手軽に利用できる重要な移動手段です。延伸をつづけているため、今後の利用者数の増加ともに利便性も高くなり、収益UPに大いに期待できる銘柄でもあります。
バンコクのモノレールを運営するBTS
BTSはバンコクの高架鉄道です。現在も延伸しており、バンコクの大動脈となっています。当然のことながら、土地の買収や駅の設置、車両の配備など他企業が参入しづらいため、独占的な状況となっています。
BTS GROUP HOLDINGS PUBLIC COMPANY LIMITED が運営しています。
バンコクの地下鉄BEM
BEMはバンコクの地下鉄を運営する会社です。東京の山手線のように環状線化を目指しつつ、延伸もしているため今後の利用者数の増加が望めます。
BANGKOK EXPRESSWAY AND METRO PUBLIC COMPANY LIMITED が運営しています。
CPグループ
タイで圧倒的な規模を誇る超巨大グループのCPグループの株です。食品事業のCPFやセブンイレブンを運営する小売大手のCPALLなどが筆頭です。
携帯電話でNo.2のシェアとTV局も保有するTRUEもCPグループです。
圧倒的なシェアを誇るので、倒産したり大きく値崩れすることが想定しずらい鉄板銘柄です。しかし、ここから大きく株価が上昇するかといわれると、情勢次第という点もあります。
銀行株
タイで最王手のバンコク銀行を運営するBBLや、カシコンバンクのKBANK、東京三菱銀行と業務提携したアユタヤ銀行のBAYなども期待できる銘柄です。
しかし銀行株は、オンライン化の影響で支店数を年々減らしており、今後の動向については不明ですが、報道された内容を見る限り、コロナショックによる不良債権は思ったより多くなく、支店閉鎖による収益率の改善により、今後は更に伸びる可能性もあります。
意外とおすすめの病院株
タイは医療関係も世界TOPクラスの水準を誇り、近隣諸国だけに限らず欧米からも医療目的でタイに来る人もいるくらいです。皆保制度のある日本ではピンときませんが、欧米と比べてもタイの治療費は安いと聞きます。私立病院はホテルのような豪華さを誇り、金さえ払えれば質の高い優雅な治療を受けることができます。
バムルンラード病院のBH、タイでNo.1私立病院グループのバンコク・ドゥシット・メディカル・サービスのBDMSも侮れません。
個人的なおすすめ銘柄まとめ
銘柄名 | 業種 |
---|---|
BTS | 高架鉄道 |
BEM | 地下鉄 |
CPF | 食品 |
CPALL | 小売 |
BBL | バンコク銀行 |
KBANK | カシコンバンク |
BAY | アユタヤ銀行 |
BH | バムルンラード病院 |
エネルギーや建築関連を入れていな理由
石油公社関連のPTTやその子会社のOR、サイアムセメントなどの建設関連は入れていません。また5Gは期待していたほどではないものあり、通信関連も含めていません。
個人的には、世界的に電気自動車への移行という流れの中、電気ステーション設置に向けてPTTも動いているようですが、どうなるかは不明だからです。また現状では原油の先物取引市場の価格により大きく変動するため、私の中では懸念しかありません。
タイの携帯電話市場でNo.1シェアを誇るAIS株は、5Gって聞くほど通信環境を改善することがないという事がわかり、期待は薄めです。
建築関連は、タイでは欠陥工事というか手抜き作業が多く、日本の職人のようにしっかりと作る文化が前提となっている私の身では、懸念しかありません。またゼネコン大手の会社でさえ、納期の遅れが発生しており、建築関連で働く作業員は、軒並み外国人労働者がメインです。
今後も発展していくことを加味すれば、建築関連は期待できるのですが、やらかしリスクがあるので、個人的にはおすすめできないというのが本音であり、事実購入銘柄から外しております。